第20200801号
「耳を傾けるべきもの」
市川教会
平塚修久
キングダム【20200801】号
「耳を傾けるべきもの」 イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。」(ルカ21:8) これは、「世の終わりはいつ来るのですか」という弟子たちの質問へのイエス様の答えです。実は、この時、彼らはエルサレムの神殿の豪華さに見とれていたのです。そこで、イエス様は、そんな彼らに、この神殿が崩される時が来ると言われました。それで、驚いた弟子たちは、そんなことが起こるなんて、世も末だ!世の終わりに違いない!それはいつ起こるのか、と慌てて質問してきたのです。 平穏な日々において、私たちは目に見えるものの美しさや豪華さに目を奪われて、大切なことを忘れていることはないでしょうか。その一方で、ひとたび考えてもみないことが起こるとなると、今度は慌てふためいてしまうのです。 今私たちは、新型コロナウィルスの感染拡大という、思いもよらない事態の中に置かれています。二〇二〇年が始まった時、いったい誰がこのようなことになることを予測していたでしょうか。このような状況がいったいいつまで続くのか、先の見えない不安や恐れを覚えている方も多いことと思います。 そんな弟子たちや私たちに、イエス様が開口一番に言われることは、「惑わされないように気をつけなさい」(8節)ということです。不安を煽り立てるニュースや話題に、やたらと目を向けたり、耳を傾けることをしないようにすることが大切なのです。また、イエス様は、「恐れてはいけません」とも言われます(9節)。「まず、それらのことが必ず起こりますが、終わりはすぐには来ないからです。」これは、言い換えるならば、すべてが定められているということです。たとえ何が起こったとしても、神様が知らないことなどなく、すべてのことが神様のご計画の中にあるということを覚えるとき、私たちは、漠然とした不安や極端な恐れから守られるのです。私たちが何よりも目を向け、耳を傾けるべきものは、神のご計画であり、イエス様の約束の言葉であることを覚えたいと思います。 「しかし、あなたがたの髪の毛一本も失われることはありません。あなたがたは、忍耐することによって自分のいのちを勝ち取りなさい。」(18〜19節) 「天地は消え去ります。しかし、わたしのことばは決して消え去ることはありません。」(33節) 「しかし、あなたがたは、必ず起こるこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈っていなさい。」(36節) キングダム2020年8月号より