スーザンは約束の時間に遅れて来ました。遅れないように前もって計画をたてていませんでした。以前に、自分の抱えている多くの問題の一つが、現在の選択が将来の結果につながると関連付けて物事を捉えられない事だと、彼女自身話していました。もう一つ彼女が話していた事は、クリスチャンになってからもずっと、神様が側にいると感じられない事でした。彼女にとってデボーションは、いつも無味乾燥なもので、神様の語りかけを受けた人の話を聞くのがとても羨ましく思えました。
スーザンは4番目の子供で、唯一の女の子として生まれました。彼女の母親は健康上の理由から出産も困難で、彼女を生んでから6週間、激しい頭痛に苦しめられました。そのため、生まれたばかりのスーザンの世話ができず、小さな彼女にとって、これは拒絶と感じられました。母親と一緒にいられなかったトラウマによって、彼女は自分の霊の中で、人生について、自分自身について、周りの人々について否定的な思い込みをするようになりました。その後父親からも十分な養育を受けられず、さらにその思い込みが確定されたのです。
「神はこれを、御霊によって私たちに啓示されたのです。御霊はすべてのことを探り、神の深みにまで及ばれるからです。いったい、人の心のことは、その人のうちにある霊のほかに、だれが知っているでしょう。同じように、神のみこころのことは、神の御霊のほかにはだれも知りません」(气Rリント二・十〜十一)。
私達の内なる霊は、受精の瞬間に命を受け、機能し始めると私は信じています。内なる霊には、人生初期に起こる様々な体験に反応し、決断する機能があります。そのため傷を受ける事もあり、スーザンの場合もそうでした。傷つく出来事に遭遇する事自体は、私達の責任ではありません。しかし、これらの傷つく出来事に対して自分がどう反応したかについて、人は責任を取らなければなりません。傷に対して殆どの人は、自分に起こった事を誰かのせいにして人を裁きます。自分の体験と、その体験から生まれた裁く思いから偽りを信じ込むようになります。その偽りに基づいて、今後どのように生きていくか、人々に接していくかを決めます。このようにして自分の心で決めた事を「内なる誓い」と呼びます。また、痛みを受けた時によくあるもう一つの反応は、霊的に眠ってしまう事で、これを「眠っている霊」と呼びます。
聖書は私達に「起きなさい」と命じています。
「あなたがたは、今がどのような時か知っているのですから、このように行ないなさい。あなたがたが眠りからさめるべき時刻がもう来ています。というのは、私たちが信じたころよりも、今は救いが私たちにもっと近づいているからです」(ローマ一三・十一)。
スーザンは、人生の辛い出来事に対して人を裁く思いを持ち、偽りを信じ込み、内なる誓いをたてた上、霊的に眠る決断を人生の初期に下したのです。これは霊がこれ以上傷つく事を避けるための自己防衛手段で、霊的に敏感な人ほど、眠っている霊の状態に陥りやすいのです。
キャシーと私が、愛する日本の皆さんについて気づいた事の一つは、神様が日本人に特別に霊的な敏感さという賜物を与えておられる事です。日本の皆さんはいつも周りの人々の事を気遣い、心にかけている天性の「重荷を負う人」です。このように神様によって造られ、賜物を与えられているがゆえに、霊が傷を受けやすくなります。そのため、霊的な眠りに陥りやすくなります。けれども実際には、人間は一人残らず、心のどこかの部分で、眠っている部分があると言えます。私達は皆、霊の眠りから癒される必要があります。
「眠っている霊」の人は、生きていく上で何らかの領域において、十分機能できない部分があります。人の内なる霊の基本的機能を理解すると、霊が眠っているかどうかを見分けられるようになり、眠っている霊の癒しを求めていく事ができます。
あなた自身も人生において、十分元気に、生き生きとした歩みのできない部分があるのではないでしょうか。
なぜ、一人ひとりのクリスチャン、また今日のキリストのからだ全体に罪深さや無力さがはびこっているか、その根本的な原因を示す大切な手がかりが、眠っている霊を理解することにある!
眠っている霊とは?
個人の霊が十分に目覚めていないため、生き生きと活動できていない部分が人生にある状態。
眠っている霊のしるしは?
できる限りの事をしても、問題が改善しない場合。
人生の基本的な部分においてうまく機能できない。
人生の何らかの領域において、自分を変えようと願っても、その決意を守り通す力や持続性に欠く。
以下は個人の霊の機能を挙げたリストです。個人の霊が十分に目覚めている人は…
全宇宙を造った唯一まことの神を知るようになる。
人々と共に心から主を礼拝する事ができる。
デボーションを守り、エンジョイできる。
神の御声を聞き、啓示を受け取る事ができる。
健康的であり、健康を維持する事ができる。
自分独自の洞察やインスピレーションを分かち合える。
過去・現在・未来と、時間を関連付けて捉えられる。
真に共感する事ができる。
夫婦間で素晴らしいセックスを体験できる。
成熟した良心を発見し、維持し、働かせられる。
スーザンは、聖霊の導きによって自分の傷や罪深い反応が示され、それらを告白し、悔い改める必要に気づかされました。また、意図的に、あるいは知らない内に彼女を傷つけた人々に対する、深い赦しに導かれました。さらに、生きる事から逃避し、霊的に眠り込む決心をした罪を告白し「イエス様、再び目覚めさせて下さい!」と祈りました。彼女の変化を見た私は、主が祈りに答えて下さった事を確信しました。
この目覚めのプロセスが起こるのに最適の場は、兄弟姉妹との交わりです。相手が求めているものではなく、相手に必要なものを与える「本物の愛」を、私達が息を吹き返すまで注ぎ続けてくれる人々が必要なのです。
「眠っている霊」の状態を癒し、その癒しを保つために最も大切なのが、セルグループやホームグループです。しかし、眠っている霊の人は、そうしたグループとの関わり自体に抵抗を感じます。ですから、交わりから逃避しようとするあらゆる思いを取り除くように励まさなければなりません。目覚めが起こり始めた時にこそ、かえって不安になり、逃げ出したくなるものなのです。眠っている霊に効く一番の薬は、キリストのからだにおいて、自分の弱さを隠さずに、人々と親密に交わる事です。
愛する主よ、私達を目覚めさせて下さい。あなたを見、あなたの御声を聞き、あなたに従うために。アーメン。
*「眠っている霊」など、心の癒しと回復について興味のある方はエリヤハウス「祈りのミニストリースクール」をお勧めします。詳しくはエリヤハウス・ジャパンまでお問い合わせ下さい。ジョン&ポーラ・サンフォード著『内なる人の変革』『家族の回復』もご一読下さい。
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